労務

中小企業が給与明細を電子化する前に必ずしなければいけないこと

給与明細の電子化で人事給与業務の効率化・利便性の向上へ

毎月の給与支給日に支給されるものは「お金」に合わせて、その内訳を記載した「給与明細書」があります。日本中の「給料」をもらっている人は毎月何らかの形で給与明細書をもらっているはずです。なぜならば給与明細書を交付することは法律(所得税法)で決められている企業の義務のため、必ず給与明細書を渡す必要があるからです。

法律的にも定められていることですが、仮に法律は抜きにしても社会通念上、給与明細書はもらうことが当たり前な世の中だと思います。(給与明細書がないと支給された給与の内訳も内容もわからないため、普通に困りますしね。)「給与明細書」は、数人でいつも顔を合わせて仕事をしているような企業であれば紙で手渡しすれば事足りるかもしれませんが、この給与明細書の配布作業は意外と手間がかかるものです。紙で配布する場合にも、

  • 給与明細書の印字内容(データ)を作る
  • プリンターで印刷する
  • 郵送で送る人がいたら宛名入りの封筒を用意し、明細書を挿入して、切手を貼って投函する

・・・
会社の人数や状況により手順は様々かと思いますが、給与明細書は、毎月定期的にこの作業が必ず発生するところがポイントです。たまにしかないから手作業で済ませてしまおうと思う業務はたくさんあると思いますが、毎月のルーチンワークに給与明細書の配布作業があるのはあまり望ましい状態ではないかもしません。給与明細書を紙で配布する担当になった多くの人は給与明細書の配布にかかっている時間を削減し、別の作業に使いたいと思うことも多いと思います。

WEB給与明細書の利用に向け、対象者全員から電子化の同意を得る

給与明細書の配布作業を効率化する解決策として真っ先に上がるのはインターネットを利用したWEB上での給与明細書の配布です。インターネットを利用して電子データで給与明細書を配布することができれば印刷も郵送も配布も作業が不要になり、大幅な作業効率化が望めます。それが給与対象者の人数が多ければ多いほど効果は絶大です。

給与明細書を電子化する話が進むと給与明細を配布できるシステムやサービスを決定し、社内に展開しがちですが、その前に必ず行う必要あることがあります。

それは、給与明細書を渡す(交付)する対象者全員から、給与明細を電子化することの同意を得ることです。給与明細書を受け取る対象者から同意を得た上で、電子化した給与明細書を交付することができると所得税法で定められています。逆に言うと同意を得られない場合には従来通り紙で給与明細書を渡す必要があります。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/denshikofu-qa/answer.htm

WEB給与明細の要件を整理して導入しよう

給与受給者からの同意が得られた(もしくはWEB給与明細システム導入に合わせて同意を得る)ことが概ね見えてくれば、あとは給与明細書を配布するシステムやサービスを選定し、導入することとなります。選定のポイントや基準は会社の規模や特色などによって様々ですが、パッと思いつくだけでも以下のようなことを検討して導入を進めて行くことになると思います。

  • 初期導入費用、月額のランニング費用は予算に合うか。
  • セキュリティーは大丈夫か。自社の会社のセキュリティ要件を満たす体制となっているか。
  • アクセス方式はPCパソコンだけか。スマートフォンやタブレットでも閲覧可能か。
  • 利用できるブラウザやPC(Windows,Macなど)は要件を満たせるか
  • 操作方法はわかりやすいか。問い合わせなどのサポート体制は充実しているか。
  • データのバックアップや保存期間はどれぐらいか
  • 給与明細項目の変更に柔軟に対応できるか
  • 給与明細書のレイアウトを複数用意できるか
  • 給与対象者が大人数の場合には、給与支給日などにアクセスが集中した場合に問題ないか

2017年版:社会保険手続きを電子申請できる人事システム・サービスまとめ

社会保険の手続きは電子申請にしよう

社会保険の手続きといえば、新しい社員が入社したら社会保険の「資格取得届」、社員が退職したら「資格喪失届」、毎年7月には「算定基礎届」と、社会保険手続きを行ったことがある人にはおなじみの届出かと思います。

この社会保険の届出は基本的には紙に手書き・またはシステムからプリンターに印刷され、それを社会保険事務所(年金事務所)を訪問し提出する企業が多いかと思います。社員の入社・退社は毎月1人でも発生すれば届出は提出する必要があるため、定期的に年金事務所に足を運ぶことになります。申請書類を準備して、オフィスから年金事務所への往復・・提出書類の不備があったら郵送か場合によっては再度訪問・・・と、時間と手間がかかる作業になります。

これらの作業をオフィスにいながらインターネットを通じて申請することが可能になるのが「電子申請」です。電子申請ができればわざわざ年金事務所を訪問することも、窓口で順番を待つ必要もなく、自分の都合の良いタイミングで効率的に申請することができます。

社会保険の手続き電子申請はe-Govが運営

社会保険の手続きを電子申請で行う仕組みは以前から総務省が運営するe-Gov(イーガブ)で行ってきましたが、2014年から外部APIという外部のシステムベンダーなどが開発した仕組みを通して申請ができる仕組みが公開されました。

詳しくは別ページで説明しますが、これにより外部のソフトウェア開発会社やクラウドサービス提供会社が社会保険の電子申請ができるサービスを提供できるようになりました。

社会保険の手続きを電子申請できるサービス

SmartHR
https://smarthr.jp/

980円/月額 〜  
※従業員5名までの場合「全ての労務を1クリックで」をテーマに社会保険の手続きを自動化するクラウドサービス。サービス提供開始からわずか数年で5,000社以上の利用実績がありとても人気のあるサービスです。

労務ステーション
https://www.officestation.jp/roumu-company/

5,000円/月額 〜  
※従業員50名までの場合中堅・中小企業の管理業務を支えるオフィスステーションシリーズの1つで労務管理を行う労務ステーション。SmartHRと同様、クラウド型のサービスです。サイトに実際の操作の動画や説明があるため、具体的なイメージがわかるかと思います。

社会保険労務システム ARDIO
http://www.melb.co.jp/p_global/sharo/

三菱電機ビジネスシステム社が開発・運用している社会保険の労務手続きに特化したパッケージソフト。電子申請は当然として社会保険業務に必要な機能がカバーされています。

労務三昧http://www.zanmai-web.net/roumu/

労務管理業務をオールインワンにサポートするパッケージソフト。勘定奉行でおなじみのOBCが提供する給与奉行とのデータ連携サービスがあり、「労務三昧 for 給与奉行21/VERP」というサービスを提供している。給与奉行と合わせて利用すればデータの連携もしやすく作業の効率化が期待できます。

2017年版:無料で使える勤怠・就業システムサービスまとめ

無料で利用できる勤怠・就業管理のシステムやクラウドサービスをまとめてみた

勤怠・就業管理のシステムやクラウドサービスはたくさんの種類がありますが、その中でも「無料」で利用できるサービスをまとめてみました。中小企業など少人数の企業やチーム、あまり豊富な機能は必要なくシンプルに出勤・退勤が管理できれば良いなど、要件は異なると思いますがマッチすればコストをかけずに社員の勤怠を管理することができます。

※投稿時点の情報を元にしているため、内容は変わる可能性はありますのでご注意ください。

IEYASU
https://www.ieyasu.co/

勤怠管理のクラウドサービス。
利用人数が数人までは無料だが管理人数が増えてくると有料になるクラウドサービスが多いですが、管理人数の制限は特にないのが印象的です。無料プランだと、・データの保存期間が1年間・バナー広告が表示される・有給休暇の付与が自動付与ではなく手動(マニュアル)での付与という制約があるようです。

スマレジタイムカード
https://timecard.smaregi.jp/

タブレットやスマートフォンでPOSレジの機能を提供しているスマレジが提供するタイムカード(打刻)サービスで日々の勤怠打刻であれば30人までは無料で利用できます。(31名以上は有料)特徴としては画面での打刻だけでなく、本人の顔写真を打刻と合わせて取得したり、なりすましを防ぐためにパスワード入力をかけたり色々な打刻方法が利用できたり、PCだけでなくタブレットやスマートフォンでも利用できるためPCを持たない店舗にフィットしそうです。また、打刻だけでなくシフト管理や休暇管理、給与計算などが必要な場合は有料プランに申し込むことで利用できます。

フリーウェイタイムカード
http://freeway-timerecorder.com/

利用人数が10人までであればずっと無料で使える勤怠打刻サービスです。特徴としてはPCでの打刻だけでなくICカード(フェリカ)を使った打刻に対応しているため、フェリカに対応した社員証などを会社で配布している場合には、そのままICカード打刻が利用できると思います。尚、利用できるブラウザはInternetExplorerのみとなるので他のブラウザを利用している場合には注意が必要そうな印象です。

ポチ勤
http://pochikin.com/

無料の勤怠管理システムで他のサービスと同様クラウド型の勤怠管理システムですが、他と大きく異なるのは他のサービスは無料プラン・有料プランがありますが、このポチ勤は無料サービスのみで運営されており、利用人数や利用機能の制限もない印象です。サイトには給与計算用のエクセルテンプレートも用意されており、勤怠管理システムへ登録したデータをダウンロードして貼り付ければスムーズに給与計算もできるという流れになっていますので給与計算ソフト等も特に利用していない中小企業や数人のチームで仕事をする人たちなどがフィットする印象です。

コストも大切ですが使い勝手や適切な労務管理の視点も大切

ざっと無料で利用できる勤怠管理システムを上げて見ましたがうまく活用することでコストを抑えつつ日々の勤怠管理を行うことができます。ただ、よくあるケースとしては、コストを抑えることを優先するあまり、無料サービスでできない部分は手作業で対応しようとすると手作業で対応することにかかる人件費の方がかえって高くなってしまうこともあるので、注意が必要です。

また、社員の日々の勤怠管理を適切に行うことは企業の責任として行う必要があります。最近は「働き方改革」や「長時間労働」が取り上げられ、労働時間の管理は非常に注目されている状況ですので、ぜひ便利なサービスを利用して社員の勤怠を適切に行う仕組みを整えていくとよいと思います。