
社内や職場の雰囲気を改善させたり、日々のちょっとした「ありがとう」を言い合ったり、社員のよい行動を褒めたりすることに活用されているサンクスカードやサンキューカードですが、「カード」という名の通り紙に手書きでメッセージを書いて相手に渡すことが一般的な使い方かと思います。
しかしインターネットに当たり前につながる最近では、手書きでやりとしていたサンクスカードをWEB(インターネット)を利用して、運用している会社もどんどん増えてきていると思います。
紙で運用されていたサンクスカードをWEB上で運用することで、紙の運用では実現できなかった色々な良い面がある一方で、従来どおりの「紙」で運用するほうがよい面はないものでしょうか。
今回は、サンクスカードをすでに運用している、またはサンクスカードを導入してみたいと考える場合に、サンクスカードをWEBと紙のそれぞれで運用した場合の良いことを整理してみたいと思います。
サンクスカードがWEBの良い点①
「個人と個人のやりとりが全員にみえる」
まずはサンクスカードのやり取りをWEB上で行う場合の良い点からです。
サンクスカードの運用をWEB上で行うことの良い点の1つ目は、個人と個人のやり取りが全員に見えることだと思います。
従来の紙での運用では、個人が手書きで書いたサンクスカードを相手が受け取ります。
そこで書かれているメッセージや想いは、受け取った相手には伝わりますが、それ以外の周りのメンバーに十分に行き届かず、どうしても個人と個人のやり取りに閉じてしまいがちになります。
運用の仕方によっては、個人から個人に直接渡すのではなく、一度、投函箱のような収集ボックスを設けて内容をみんなで共有した後で個人に配布することで、周りのメンバーにも共有することができますが、共有の場にいないメンバーには伝わらないこともあります。
WEB上でサンクスカードを運用した場合には、利用するサービスの内容にもよりますが、サンクスカードを贈った人、贈られた人、そしてメッセージなどが、個人と個人だけでなく、周りのメンバーや上司、場合によっては社長や経営層といった、周りの人たちに簡単に共有することができます。
- よい行動を褒めたり評価して良い行動を社内に浸透していきたい
- 日々のメンバーの行動や、どんなところで活躍しているのかが見えるようになる
ということが、WEB上にサンクスカードの情報が蓄積されていくことで、自ずと促進されていくことが良い点だと思います。
サンクスカードがWEBの良い点②
「どこでも贈れる」
サンクスカードをWEBで運用する場合の、2つ目の良い点としては、「どこでも贈れる」という点だと思います。
これもサンクスカードをWEB上で運用する場合に利用するサービスの動作や、会社のポリシーなどにより一概には言えない部分もありますが、基本的にインターネットにつながっていればどこでもサンクスカードを贈れるため、メッセージや感謝の気持ちを贈りたいと思った時にすぐに贈れることが良い点だと思います。
紙のサンクスカードの場合には、
- 相手が不在で渡すタイミングを逃してしまった
- 会社の帰り道にサンクスカードを贈りたいと思ったが、翌日になって忘れてしまった
など、タイミングによってはサンクスカードを贈るタイミングや機械を逃してしまうことも考えられます。
逆にWEB上でサンクスカードを運用する場合には、PCだけでなくスマートフォンなどインターネットにつながっていればどこでも贈れるため、業務時間中にありがとうを言い忘れたとしても、
- 会社の帰り道の電車の中で気軽に贈れる
- 相手のタイミングを考えずに贈れる
ということで気軽に思った時にサンクスの気持ちを贈れることが良い点だと思います。
サンクスカードがWEBの良い点③
「やり取りが蓄積されて、お互いの理解が深まる」
サンクスカードをWEBで運用する場合の良い点の3つ目は、日々のやり取りで贈られるサンクスカードが情報として蓄積され、個人の理解を深めるプロフィール情報になるという点だと思います。
サンクスカードを紙でやり取りする場合には、その瞬間の感謝の気持ちを伝えることはできますが、
- 過去にどのようなサンクスカードをもらったのか(贈ったのか)
- 過去にどのような人と関わって活躍しているのか
など、現時点ではなく、その相手がいままでどんなサンクスカードをもらってきたのかをパッとわかることは難しいと思います。
しかしWEB上でサンクスカードを運用すると、そのやり取りの結果はデータとして蓄積されていきますので、例えば、半年前や去年、どんな活躍(サンクスカードをもらったのか)が知りたいというときもパッとその内容が見えるようになります。
例えばサンクスカードを通して、
- 過去の仕事上の関係者やそのやり取りが見える
- 相手の良い点がわかる
など、日々の作業や行動に対しての感謝の気持ちを贈ることも大切ですが、それが蓄積・見える化することが、その相手の理解を深めることができます。
相手の理解が深まることで、より社内のコミュニケーションが活性化されたり、仕事を勧めやすくなったりすることが期待できると思います。
サンクスカードが紙の良い点①
「紙とペンがあれば誰でもできる」
ここまでは、サンクスカードをWEBで運用することの良い点を書きましたが、ここからはサンクスカードを紙で運用することの良い点を考えて見たいと思います。
サンクスカードを紙で運用する場合の良い点の1つ目は誰でも紙とペンがあればできるという点だと思います。
サンクスカードは「日々の感謝の気持ちを紙に書いて相手に伝える」ことなので、それができれば誰でもできます。
極端なケースで言えば、無地の紙と鉛筆1本あれば、そこにメッセージ(字がかけない場合には絵など)を書いて相手に渡せばよいのです。
サンクスカードをWEB上で行うには、そのサービス(システム)にログインしたりPCやスマートフォンを操作しないと、サンクスカードを贈ることはできないと思いますが、紙で運用する場合には、そのような仕組みは不要で、すぐに誰でも参加して始めることができますので、この点が1番の良い点だと思います。
サンクスカードが紙の良い点②
「気持ちがこもる」
サンクスカードを紙で運用する場合の良い点の2つ目は気持ちがこもりやすいという点だと思います。
ではWEB上でサンクスカードを運用する場合には気持ちは込められないのかというとそういうことではないのですが、サンクスカードを紙で書こうとすると、どうしても1つ1つを手作りで書く作業が必要になります。
WEB上ですとキーボードやスマートフォンを操作することで気軽にメッセージが贈れる一方でその文字に込められた気持ちは紙に比べるとやや機械的なものになると思います。紙(手書き)と電子メールの違い、例えば結婚式の招待状がいまだに紙(郵便)で運用されていることに近いイメージだと思います。
日々の感謝の気持ちを気軽にたくさん贈りたいという場合には、WEBでのサンクスカードがマッチすると思いますが、
- 1つ1つのメッセージを気持ちをこめて贈りたい
- WEBで運用する場合の敷居が高い(PCにログインするなどの操作が難しい)
場合には紙での運用が合うものだと思います。
サンクスカードが紙の良い点③
「思い出にとっておける」
サンクスカードを紙で運用する良い点の3つ目は思い出にとっておけることだと思います。
紙でもらったサンスクカードは、実際の物(紙)なので、手元においておいたり、アルバムとしてしまっておいたり個人の思い出としてとっておくことができます。
一方でWEB上でサンクスカードを運用している場合には、過去にもらったサンクスカードも、ぱっと見返すことはできますが、その情報(データ)はインターネット上に保存されているため、紙のサンクスカードのように手元においておくことや、飾ることはできません。
例えば会社を退職した場合に、紙のサンクスカードはそのまま手元に残ることもあるかもしれませんが、WEB上のサンクスカードの情報は見れなくなってしまうケースが考えられます。
WEBのサンクスカードのデータも印刷したりデータとして、自分の手元に保存しておけば上記の課題は解決するかもしれませんが、シンプルに紙であることの良さは、そんなところかと思います。
以上、ざっとサンクスカードをWEBと紙で運用する場合の良い点を書いてみましたが、それぞれ良い点があるかと思います。
大切なのは、サンクスカードの運用がWEBだから良い悪い、紙だから良い悪いということではなく、「サンクスカードを使ってどのようなことを実現したいのか」という「目的」を見失わないことだと思います。
時代はインターネット社会だということで単にWEBがよいという発想ではなく、
- 誰が誰にどうやってサンクスカードを贈ることが1番使いやすいのか
- それによってどのような職場環境や組織を作っていきたいのか
ということを考えながら、その会社、職場、チームに合ったやり方を作っていくことが大切だと思います。