
「面談」というと少々堅苦しく聞こえますが、「面談」という言葉を辞書で調べると「面談」とは、直接合って話をするという意味だとわかります。
直接合って話をする機会を振り返ると、社内では実に様々な「面談」が行われていることがわかります。
最近は面談という言葉を使わず、上司と部下が1対1で面談を行う1on1ミーティングという言葉もよく聞くようになりました。
面談には、人事や上司など相手が異なる面談や、評価やキャリアなど目的が異なる面談など色々なものがあります。
「面談」と一言で言っても、その目的やタイミングなどは会社によって様々なため、明確なルールや決まりもなく、現場の雰囲気や状況に合わせて自主的に実施されているケースも多くあります。
自社でなんとなく実際されている面談を、仕組みやルール化したいと考えたとき、その仕組みを考える担当者は頭を悩ませるものです。
今回は面談の種類と特徴について紹介します。
この記事は以下のような人におすすめ!
・社内面談を始めることを検討している
・社内で実施されている面談状況を整理したい
① 1on1ミーティング
1つ目の面談は、1on1ミーティングと呼ばれる、上司と部下が1対1で行う面談です。
1on1面談とも呼ばれます。
Googleなど大手外資系企業が実施している制度で、日本でもyahooなど大手企業を始め、採用する会社が増えてきました。
1on1ミーティングは、1対1で実施する面談になるため、周りを気にせず、直接的に相手と会話のキャッチボールをすることができます。
1on1ミーティングで話すテーマは、
- 部下の目標に対する進捗確認
- モチベーションの把握
- 課題と感じていることのサポート
など、会社によって様々ですが、1週間に1回〜1ヶ月に1回程度の比較的短いサイクルで実施する面談です。
面談という時間をあらかじめ設けて実施するため、業務中は忙しく話せない相談や、自身の考えや状況を整理できる時間にもなります。
そしてなにより、定期的に上司と部下がコミュニケーションを取る機会ができることで、相互理解が深まり、コミュニケーションの円滑化や、信頼関係の向上が期待されます。
一方で、1on1ミーティングを予定していたものの、業務が忙しいことを理由に延期や中止が頻繁に起きる場合や、長続きしない場合、部下の上司に対する信頼感が薄れ、部下のモチベーションが下がってしまうことも考えられるため注意が必要です。
- 社員同士のコミュニケーションが足りない
- 現場で働く社員の状況が見えない
- 日々状況がかわる現場で、短いサイクルでフィードバックしていきたい
と言った課題を改善したい場合に有効な面談でしょう。
上司と部下が定期的にコミュニケーションを取ることができる面談だね。
② 目標設定面談
2つ目の面談は、業務上の目標を設定するために行う面談です。
個人目標を設定しその目標の達成度合いを評価するMBO(目標管理制度)を導入している会社が実施することが多い面談です。
期初や半期の最初など、評価期間の最初に、その期間の終わりに達成すべき目標を個人ごとに設定するための面談を実施します。
目標の内容は営業部門であれば売上、製造部門であれば品質など、事業分野や職種などにより様々ですが、個人が立てる目標の認識合わせを上司と部下が行う面談になります。
1on1面談とは異なり、1対1という決まりはないですが、大抵の場合は、部下へ業務を指示する直属の上司が行うケースが多い面談となります。
目標設定面談では、
- 対象期間に行う業務に関しての成果目標
- その業務を経験することによって身につく能力目標
を設定するケースが多いです。
本人が設定した目標を上司がレビューするため、面談の中で目標内容に対する妥当性の確認や、会社や上司からの期待値の認識合わせなどを行う面談となります。
MBO(目標管理評価制度)を実施している会社の場合には、評価制度の1つのイベントとして組み込まれることも多い面談となります。
対象期間の終わる期末の時期には、目標設定面談で設定した目標に対しての到達度により、評価や賞与額の査定、来期の昇給や昇格などを判定する材料となります。
尚、目標の到達度を必ずしも賞与や人事考課に結びつける必要はないため、目標を持って仕事をしてもらいたいという場合にも活用できる面談になります。
- 明確な目標がなく、業務に対してどのように取り組めばよいかわからない
- 今後の自身のキャリアが見えない
など、目標を持って日々の業務に取り組む必要がある場合に有効な面談といえます。
達成したい目標を上司と部下で認識合わせをする面談だね。
③ フィードバック面談
3つ目の面談は、目標設定面談を行った場合、その期間中の成果や働きぶりを本人にフィードバックする面談です。
目標面談(目標設定)を行っていない会社でも、その期間の本人の働きぶりや能力に対して、会社や上司からフィードバックを行う面談を行っている会社も多くあります。
本人の行動や成果に対して、会社側からの見解をフィードバックする面談のため、会社が評価している点や感謝の気持ちを伝えることで、本人のモチベーションや満足度の向上につながります。
また、会社が期待していることや今後改善してほしい点を伝えることで、育成を促すことにもつながることになります。
面談は対象者の実際の業務を見ている直属の上司が行うことが多い面談です。
次の期間に向けた前向きな面談になることが望ましいですが、本人と会社側の認識にギャップがあることも多く、その認識をすり合わせる面談になることもあります。
- 作業に対するフィードバックがない
- このやり方でよいか不安がある
など、行動や成果(アウトプット)に対してフィードバックの仕組みがない場合に導入すると有効な面談です。
但し、フィードバック内容について、本人との認識合わせをしっかり行わないと、本人の納得感やモチベーションにネガティブな影響を与えることもあるため、面談の場でしっかりと認識のすり合わせを行うことが大切です。
目標の達成度合いをフィードバックして、次につなげる面談だね。
④ 人事面談
人事部門がある比較的規模の大きな会社が実施する場合や、人事の専任者がいない場合は社長が実施することも多い面談です。
上司や同じ部署内の関係者との面談ではなく、管理部門など日頃の業務に直接関係しないメンバーが行う面談です。
人事面談を実施する人事担当者や社長は、面談対象者の実際の業務内容がわからないことも多く、面談内容としては現在の業務についての満足度や、体調面の確認、悩みや今後の希望など大きなテーマで話を聞く面談となります。
面談者は日頃関わっている相手ではないため、上司には直接言いづらいことや、悩んでいることなどを聞ける機会にもなります。
- 現場の実態がわからない
- 本人の志向や仕事への意欲を確認したい
など現場の上司ではない客観的な立場で、社員の声を聞きたい場合に有効な面談です。
客観的な立場で社員の意見や志向、悩みなどを把握する面談だね。
今回紹介した4つの面談は、社内で実施される代表的な面談です。
実際の面談は会社の規模や文化によって様々なため、必ずこの面談を実施すると良くなるといった正解は無いものです。
しかし、どのような面談にも
- その場限りの面談にせず、継続的に実施すること
- 面談の実施方法やサイクルなど運用ルールを継続的に改善していくこと
の2点は、継続的に面談を実施するためには大切なポイントになります。
- 社内面談を導入してみましたが続かない
- 面談内容がうまく共有されずに状況が見えない
- 面談を実施することが目的になってしまっている
など、実際に社内面談を導入してみると色々な課題が出てくると思いますが、1つ1つの課題を継続的に改善していくことで、自社にあったオリジナルの面談スタイルが出来上がるでしょう。