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即辞めます!人事評価制度に不満を抱える社員をそのままにしておくリスク5つ

ここでは、人事評価制度に対して社員は具体的にどんな不満を感じているのか、また、そのままにしておくことでどんなリスクが生まれるのかを考えていきます。

この記事は以下のような人におすすめ!

・人事評価制度の導入を検討しており、事前にリスクを知っておきたい
・人事評価制度がうまく運用できておらず、課題を感じている

人事評価制度は昇給や昇格の目安となる制度で、会社にはなくてはならないもの。
ですが、意外と人事評価の結果に不満を抱えている社員は多くいます。
人が人を評価する人事評価制度だからこそ、多少の不満が生まれるのは仕方がない、そう思ってしまいがちですが、だからといって放置しているのは危険です。正当な評価をしてもらえなかった社員の不満は、ずっと渦巻いて、気づかないうちに爆発してしまうことになるかもしれません。
そうなると、会社にとっても社員にとっても不幸な結果となってしまいます。そこで、ここでは、人事評価制度に対して社員は具体的にどんな不満を感じているのか、また、そのままにしておくことでどんなリスクが生まれるのかを考えていきます。

1. こんなところが不満!人事評価制度に見られる問題点

それでは、多くの社員は人事評価制度にどんな不満を抱えているのでしょう?
まずは、具体的に見ていきましょう。

① 評価に偏りがある

会社には様々な人が働いていて、様々な役割を担っているもの。会社としては結果をとってくるエースがもてはやされますが、実はそのエースたちも、彼らが効率よく働けるようデータを集めてきたり、根回しをしていたりする縁の下の力持ちがいて成り立っているということも少なくありません。
ですが、そういった影の部分をきちんと取り上げて評価することは難しく、見過ごしてしまうことも。
結果的に、目立つ社員や声が大きい社員ばかりが評価され、地味な社員や声が小さい社員は評価されないということもあります。
本来はそれぞれの社員が毎年違った成果を携えているのにも関わらず、それぞれの評価は固定化してしまい、形骸化してしまうことも。結果的に努力しても評価されず報われないと不満を感じる社員ができてしまいます。

② 数字に表れないことは評価されない

評価する方は、きちんと公平に評価しよう、あとでトラブルになるのを避けようと考えていると思うのですが、そうなると、どうしても評価の基準を数値化できるものに依存してしまう傾向にあります。
人事評価では資格取得やノルマの達成などは数値化しやすく、それを基準としがちですが、数値に表れることばかりを重視しては、きちんと評価するという点においてやはりうまく評価できているとはいえません。
例えば、英語のスキルがスコアの上では長けていたとしても、実際に外国人と会話する、うまくコミュニケーションをとるということに結び付くかというと一概には言い切れません。案外、ペーパーではスコアが取れない社員の方が、外国人とフレンドリーになったり、上手にコミュニケーションを取ったりすることができるということも。
そうなると資格や数値だけで相手のすべてを評価するというのも簡単ではありません。
また、資格自体も様々なものがある中で、どれをどの比重で点数として割り振っていくかということを考えるのもなかなか骨が折れます。一方、ノルマに関してもやはり数値だけでその人の能力をはかるのは難しいところがあります。
例えば営業職だとして、割り振った地域の特質によってもそのノルマが妥当かどうかというのはなかなかわかりにくいもの。あまり人口流動がなく、長年同じ場所に住み続けている人が多い地域では、すでに需要が足りていていることもあって、なかなか購買には結びつかないでしょうし、逆に大学や社宅の多い流動性が激しい地域では、毎年新生活をスタートする人たちが一定数いるので、ノルマの達成がしにくいということもあるでしょう。
このように、状況は様々の中、達成した数値だけで正しく判断するのは公平のようでありながら、不公平になる場合も。数値だけを重視してしまうと、結果が取りにくい地区に割り振られた社員は不満を覚えるでしょうし、達成しにくい目標は立てない、業務に反映させられない資格ばかり取得してしまうという極端な社員を作ってしまうことにもなりかねません。

③ 評価者の主観や感情による

会社の中には要領のいい人もいれば悪い人もいます。
要領のいい人は、上司や先輩からすれば、気の利いた言葉をかけてくれたり、うまく自分を立ててくれたりと、一緒にいても居心地よく感じます。
人間なのだから、自分にとってプラスな相手は、ついついひいきしたり、目をかけたくなったりしてしまいがち。
ですが、要領がいいことと、仕事ができることとは本来関係がないことです。
逆に、有能で勤務態度がまじめでも、謙虚すぎたり、目立たなくて存在感のないタイプだったりすれば、よほど評価者がきめ細かに一人一人のことをチェックしていない限り、なかなか高評価にはつながってきません。
要領の良さや世渡り上手も評価の一つという考えもありますが、それが行き過ぎれば、結果的に、人事評価制度が純粋に仕事の能力をはかる目安にはならず、根回しや忖度などの余計な人間関係ばかりに社員が力を注ぎ、仕事の成果につながらず疲弊するだけという結果になります。

④ 評価が昇給や昇格につながらない

社員個人は大口の契約を取ったり、ノルマが達成できたりしても、会社全体としての売り上げが悪かったので、結果的にボーナスは下がったというのは中小企業にはありがちなことです。大口の契約が取れたことも、ノルマが達成できたことも、社員の努力の結果です。そしてそんな成果が、今度いつかなうのかわかりません。
会社は組織なので、全体として見ることも仕方がないことではありますが、社員個人としてはちゃんと評価されていないと感じて不満に思うことでしょう。
競争をあおりすぎる職場は周りがみんなライバルと感じ、チームワークが悪くなり疲弊しますが、かといって競争がなさすぎる職場も優秀な人材が浮かばれません。努力してもみんなと同じ評価では、やるだけ無駄と感じてしまうことも。何かご褒美がないと人はなかなか頑張れないものです。
だからといって、子供ではないので、表彰されたり褒められたりといったことで納得できるとも思えません。いくら優秀な人材でも昇給にも昇格にもつながらないとなれば、楽な方、楽な方へと転がって行ってしまい、結果的に、会社全体として士気が上がらず、優秀な人材もダメにしてしまうことにもなりかねません。

2. 人事評価制度に不満を抱える社員をそのままにしておくリスク

それでは、人事評価制度に不満を抱える社員を放置しておくとどんなことが起こるでしょうか?
ここでは、不満を抱えた社員をそのままにしておくリスクを具体的に見ていきましょう。

① モチベーションの低下

人事評価制度は、学校でいえば成績のようなものです。成績は個人の到達度を数値化するもので、これによって何ができて何ができていないのかが明らかになります。
人事評価は前向きに受け取られれば、個人のことが客観的にわかり、今後克服すべき点が明確化し、社員ひとりひとりの成長に結びつけることができます。
ですが、後ろ向きに受け取られれば、悪いところを突きつけられるので、モチベーションの低下につながります。
学生時代の成績でも、90点を取って「90点も取れたのはすごいので、ケアレスミスがなくせば100点も狙える」と助言されれば、次回は100点を狙おうとモチベーションが上がりますが、「ケアレスミスをして90点しか取れていない」と言われれば、モチベーションが低下するのと同じことです。
社員の不満の多くは「正当に評価されていない」というところにあるので、社員の納得がないままで放置しておけば、社員のモチベーションは低下し、生産性が上がるはずはありません。

② 会社が望む人物像からの逸脱

学校の成績で学習態度に悪い点数が付いたらどうでしょう?
授業中におしゃべりをしていたからだろうか、遅刻ばかりしているからだろうかなど、あれこれと思い当たる節を考えて、何かあたりをつけて、それを改善しようとするのではないでしょうか?同じように、人事評価でも、悪い結果が出れば、何が悪かったのかを総合的に考えて、それを改善しようとするでしょう。
ですが、人事評価制度に欠陥があればどうでしょう?
例えば、本来は優秀な人材で、意欲的に資格も多数取っていたとしても、評価者の主観や感情で人事評価にそれが反映されていなかったなら?そうなれば、本来改善すべきは評価者の主観や感情ですが、各々の社員はそこまで考えが及ばず、「実は会社は資格取得が大事ではない」と考えてしまっても不思議ではありません。
そうなれば、評価者のゆがんだ価値観で形成される人物像が目指すべき姿となってしまい、本来会社が望んでいる人物像と大きくかけ離れてしまう結果にもなりかねません。そうなれば、社員にも会社にも双方にメリットがなく、社員をますます迷走させてしまいます。

③ 評価者との信頼関係の低下

今までよい評価をつけられていた社員が、配属先を移動したとたん、悪い評価になればどうでしょう?
部署によって評価する人が違うので仕方がないこととはいえ、社員にとってはなかなか納得できないことだと思います。
プラス思考の評価者とマイナス思考の評価者では、評価そのものも違ってきますし、評価者自身の経験などからも厳しさは違ってきます。ですが、各々の社員にとっては目の前の評価だけがすべて。人によって変わる評価が、悪い結果になれば「その評価は正当ではない」と感じる気持ちが芽生えてしまっても仕方ないでしょう。
このように、評価者によって偏りがあると思われる場合は、評価された方も真摯に結果を受け止められなくなり、関係がぎすぎすしてしまうことも。悪い評価に対する逆恨みの感情も起きやすく、両者の関係が悪化すれば業務にも支障が出て、チーム一丸となって目標達成することは叶わなくなります。

④ 自信喪失

自分が所属している組織から正当に評価されないと思えば、それは自信喪失につながります。
それでなくても、会社は多くの社員にとって1日の大半の時間を費やすところ。周りが評価されて、自分だけが評価されていないと感じてしまえば、とても活き活きと過ごすことはできないでしょうし、劣等感にさいなまれて、何事に対しても委縮してしまうでしょう。
そんな状態では、積極的に新しい仕事にチャレンジしようとする勇気ももてませんし、失敗を恐れて無難な選択ばかりしてしまうことも。そうなれば、本来、目標を定め成長していくための人事評価制度が、逆に多くの社員を追い詰めるだけのものになってしまうことも。社員が、自分の居場所がないと感じて自分自身を追い詰めてしまえば、心の病いを発症しないとも限りません。

⑤ 離職者の増加

一昔前は定年まで一つの職場で働き続けるのが当たり前で、転職することは悪いことという意識がありましたが、現代社会において、転職はもうすでに悪ではありません。それどころか、今は逆に一度も転職を経験したことがない人の方が労働市場での価値が下がるといわれています。
それほどに現代の社員にとって転職はごく日常的なことであり、転職市場も賑い、中途採用枠も拡大しています。そんな中において、自分の能力が正当に評価されないとなれば、さっさと転職してしまおうと考えるのは当然のことです。
そうなれば、結果として損失を被るのは会社です。多くの資金や時間を投入して採用し、教育をして、優秀な人材を育ててきたのに、育った頃に転職されてしまえば、会社としては何のメリットもありません。
それどころか、転職市場では、一通りのビジネスマナーを学んだ上で、即戦力にも優れた人材の中途採用は引手あまたです。
社員がなかなか居つかない会社は常に人材不足。
そうなると、業務も支障をきたすでしょうし、常に人材確保に時間とコストを取られるという悪循環に陥ってしまい、会社の存続そのものにもかかわってきてしまうでしょう。

3. まとめ

人事評価制度はうまく作用すれば社員全体の底上げになりますが、悪く作用すると今までグレーだったことも、白黒つく結果となってしまい、人間関係の悪化やモチベーションの低下を招いてしまいます。
時には離職の決断に結び付いてしまうこともあり、慎重さが求められる側面も。そうなったら、なかなか素人では太刀打ちできません。人事評価制度をプラスに作用させるためにも、最初の導入時の細かなルール作りがポイントです。
とはいえ、経営者からすれば、本来の業務から外れたことまでなかなか時間は割けないもの。そこで、最近では、人事評価のシステムを利用する企業が増えてきています。
外部のシステムを利用することで、個人の主観や個別の偏りを取り除くことができるので、社員たちにとっても公平で明白な評価が期待できそうです。人事評価は社員たちにとってはとても重要なもの。だからこそ、社員たちが余計な軋轢に煩わせられることなく、業務に専念できるために、しっかりしたものを利用したいですね。
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