
1. 企業理念や行動指針の浸透にサンクスカードの活用を考えている企業は多い
企業にはその企業の理念や価値観などを表現した企業理念やビジョン、そして、そこで働く社員の姿勢や取り組みを表現した行動指針などを定めている企業も多いと思います。
会社としての「こうありたい」という価値観に共感し、社員が活き活きと働くことができれば、会社としてとても大きな力を発揮することができることでしょう。
企業理念や行動指針を浸透させる取り組みを色々な企業が行っており、
- 毎朝みんなで企業理念を唱和する
- 企業理念や行動指針をカードや本にして社員に配布する
- 企業理念に沿った行動をとった社員を年1回の総会で表彰する
など各社によってその取り組み方法も様々です。
そんな企業理念の浸透への取り組みの1つのツールとして、サンクスカードを活用する企業も多くあります。
わかりやすい効果としては、サンクスカードを使い企業理念に沿った行動や働き方をしている人にサンクスカードを贈ることで、
- もらった社員の行動が企業理念に沿った良い行動であるということを認める
- もらった社員のモチベーションを向上させ、さらにもっと良い行動を促す
という効果が見込まれることは比較的イメージがつくと思います。
もちろんサンクスカードを使うことでこのような効果をもたらすこともありますが、それ以外にもサンクスカードを使うことで、意外と見落されがちですが、とても大切な効果だと考えられる点をお伝えしたいと思います。
2. わかりやすい効果はサンクスカードをもらった人と周りの理解が深まる
冒頭でお話した通り、企業理念や行動指針に沿った行動をしてくれた社員に対して、サンクスカードを贈ることでもらった本人の企業理念や行動指針への理解が深まる効果があります。
- 自分の取った行動は正しかった(良かった)のだというフィードバックをもらうことで、
企業理念や行動指針の理解が深まる - もっと褒められたいという欲求から、さらに良い行動をしようという社員が増える
また、サンクスカードを個人と個人でやり取りするだけで終わらせずに、その内容を社内全員で共有したり、他人が贈ったサンクスカードへの「共感」や「フィードバック」ができる仕組みを作ると、個人の理解だけでなく、周りの社員への相乗効果が期待できます。
- どのような行動や働き方が企業理念や行動指針に沿った行動なのかの具体的なケースがわかるため、
自分の行動 照らし合わせて理解を深めることができる - 周りの社員がサンクスカードをもらっていることで、自分ももらいたいという意識が芽生え
良い行動・良い取り組みを促す
3. 大切なのはサンクスカードを自分の言葉で贈ること
ここまでの話でサンクスカードを活用すると、
「企業理念や行動指針の浸透が深まりそうだ。」と思う人も多いと思います。
当然ここまでの話だけでもサンクスカードを活用することの効果は見込まれますが、もう1つ見落としがちな大切なことがあります。
それは「サンクスカードをもらうこと」よりも「サンクスカードを自分の言葉で贈ること」だと考えます。
どういうことかというと、「企業理念を浸透させる」ということをテーマとした場合に、その目的は企業理念の文章を覚えさせることでも、文章の意味を理解させることでもなく、企業理念に共感(納得)し、会社と社員が同じベクトルに向かって意識を統一して力を合わせることができることだと思います。
その場合には企業理念の言葉を自分なりに理解(納得)し、自分の言葉で語れるようになることが本当の意味で企業理念の浸透だと言えます。
企業理念知っているか?という問に対して、丸暗記した文章を語るのではなく、社員それぞれが自分なりに解釈した企業理念を語られる組織こそ、1人1人に企業理念が浸透していることの表れだとも言えます。
そう考えた場合に、企業理念を自分の言葉で語るまでには以下のステップがあると考えます。
1.企業理念の存在を知る(企業理念があることを知る)
↓
2.企業理念の意味を理解する(何を言っているかがわかる)
↓
3.企業理念の意味に納得して、自分の行動を変える(実際に行動に移す)
↓
4.企業理念の意味を自分で語れるようになり、他人の行動にコメントを贈れる
他人からサンクスカードをもらうような良い行動を取る部分は3番の部分であり、最終的には4番の「企業理念を自分で語れる」という社員が増えると、会社と社員の一体感のある組織ができあがるものと思います。
サンクスカードを他人にコメントをつけて贈ろうとすると、しかも企業理念に照らし合わせたコメントを贈るためには当然、自分の中での企業理念の理解・解釈がなければ他人に贈ることはなかなかできません。
その時に大切なのは、そこで完璧なメッセージを贈ることではなく、「自分の頭で自分なりに企業理念を考える」といういわば訓練を繰り返し行うことで、徐々にその社員の中に企業理念というものが見について定着してくるものだと考えます。
そういう意味でサンクスカードはもらうことも大切ですが、逆に「サンクスカードを自分の言葉で贈る」ということがもっと大切なことだと考えます。
4. 企業理念ごとにサンクスカードを分けると効果的
サンクスカードを企業理念や行動指針の社員への浸透させることに活用する場合には、さきほどまでに述べたように「自分で企業理念の意味を考え、自分の言葉で企業理念を語らせる」ということです。
そのためには企業理念や行動指針が複数ある場合には、その企業理念や行動指針ごとにサンクスカードのデザインやルールなどを変えることで、より1つ1つの企業理念や行動指針にフォーカスして理解を深めることができると思いますので効果的と言えます。